コワーキングスペースが浸透した背景
コワーキングスペースは、2006年頃にシリコンバレーから本格的に広まったといわれています。日本では、2010年に神戸で国内初のコワーキングスペースが開設されました。
神戸での開設をキッカケに、「働き方改革の推進」「コロナの影響による在宅勤務への切り替え」なども影響して全国に増加していきます。ちなみに、2022年12月時点における全国のコワーキングスペース数は「2,129 箇所」でした。
参考:一般社団法人大都市政策研究機構 | 日本のコワーキングスペースの拡大
従来までの「出社して仕事する」というスタイルが見直された結果、設備が充実し出社の手間を省けるコワーキングスペースの魅力が認識され、大きく普及したと考えられるでしょう。
コワーキングスペースとシェアオフィスの違い
両者の主な違いは以下のとおりです。ただし、厳格な定義はないため、目安程度に捉えておきましょう。
コワーキングスペース | シェアオフィス |
カフェや図書館のような「共有空間」で複数の利用者が一緒に働く | 施設内に設けられた「個室空間」を各利用者が個人契約する。共有空間を設けていることもある |
コワーキングスペースは共有空間で働く機会が多いため、利用者同士のコミュニケーションを取りやすい点が特徴です。
一方でシェアオフィスは、利用者ごとに個室空間が割り当てられています。そのため、作業をおこなうことをメインにした利用が一般的です。
コワーキングスペースとレンタルオフィスの違い
両者の主な違いは以下のとおりです。こちらも厳格な定義は定められていません。
コワーキングスペース | レンタルオフィス |
カフェや図書館のような「共有空間」で複数の利用者が一緒に働く | 施設内に設けられた「個室空間」を各利用者が個人契約する |
基本的なイメージは、上記のシェアオフィスと大きく変わりません。ただし、レンタルオフィスのほうが個室を採用している傾向にあります。スタートアップ企業が事務所として契約するケースもあり、レンタルオフィスの住所を法人登記の際に使うことも可能です。
コワーキングスペースとレンタルオフィスの違いについては、以下の記事でも解説しています。
コワーキングスペースの利用メリット
コワーキングスペースを利用するメリットは、主に以下の5つです。
・コストを削減できる
・作業に集中しやすい
・新たなビジネスの機会を得られる
・打ち合わせや会議の場所として利用できる
・仕事に必要な環境が揃っている
コストを削減できる
オフィスを契約する場合、高額な家賃や初期費用、設備費、光熱費、水道代、敷金礼金、更新費用などが必要です。コワーキングスペースなら、月額料金のみでプリンターや冷蔵庫といった設備込みで利用できるため、コストを削減できます。コストを削減して自身の業務にリソースを投下したい個人事業主やスタートアップ経営者にとっては、大きな魅力です。
従業員数が少ないスタートアップなら、全員でオフィス代わりに利用してもよいでしょう。
作業に集中しやすい
コワーキングスペースの利用者は作業目的で訪れているため、周囲のやる気に影響を受け仕事に集中しやすくなります。「自宅は誘惑が多い」「カフェは周囲がうるさい」という悩みを抱える個人事業主やテレワークの会社員でも使いやすいでしょう。
コワーキングスペースのWi-Fiは高速でスムーズに使えるため、接続が悪く作業を中断するストレスもありません。パスワードも設定されているため、フリーWi-Fiより安全です。
関連記事:フリーWi-fi(ワイファイ)とは? 利用するときの安全な使い方
疲れたらフリードリンクやお菓子などでリフレッシュできます。
新たなビジネスの機会を得られる
コワーキングスペースでは、共有空間でさまざまな方と働くためコミュニケーションが生まれやすく、新たなビジネスの創出につながる可能性もあります。スタートアップ経営者や個人事業主からすると、思いがけないビジネスチャンスを見つけられるというのは大きな魅力です。
場所によっては交流会や作業会、セミナーなどを開催しているため、より人とのつながりを生みやすいでしょう。
打ち合わせや会議の場所として利用できる
コワーキングスペースは単発利用も可能です。「オンライン打ち合わせをしたいが自宅の回線は不安定で使いにくい」「静かな場所で会議がしたい」といったケースで活用できます。
個室ブースがあるコワーキングスペースを使えば、後ろを覗かれる心配がなくセキュリティ面からも安全です。単発利用なら、料金は「数百円程度/時間」で済むため、出費も大きくなりません。
仕事に必要な環境が揃っている
コワーキングスペースには、仕事で必要な以下のような環境が揃っています。
・高速Wi-Fi
・電源
・プリンター
・サブモニター
・会議用ブース
・変換コネクタ
・文房具
・ホワイトボード
場所によってはウォーターサーバーやフリードリンク、お菓子なども充実しています。月額料金(あるいは単発料金)を支払うだけで、充実した設備を利用し効率的に仕事ができるのは、コワーキングスペースの魅力です。
コワーキングスペースの主なサービス内容
コワーキングスペースによっては、以下のようなサービスも利用できます。
・郵送物や電話、ファックス転送機能
・法人登記時の住所登録
・会議室
・専門家によるコンサルティングサポート
・交流会や作業会など各種イベントへの参加
・キッチン
・ビジネス書などの閲覧
単なる仕事場ではなく、郵送物の転送や登記時の住所利用、コンサルティングの提供など「利用者のビジネスを加速させる手段」として活用できる点が魅力です。
コワーキングスペースの利用前に確認すべき情報
コワーキングスペースを利用するにあたって、以下のシステムを確認しましょう。
・営業時間
・会員制での利用
・ドロップインでの利用
営業時間
コワーキングスペースにもよりますが、営業時間は「開始は8〜10時頃:終了は17〜22時頃」が一般的です。「24時間利用できる」「平日と休日で営業時間が違う」というコワーキングスペースもあります。都市部であれば、24時間営業や夜遅くまで利用できる施設も増えるでしょう。場所によっては「17時」などやや早めに終わることもあるため、ご注意ください。
会員制での利用
「会員制」の場合、会員登録をおこない月額料金を支払うことで利用できます。基本的に、頻繁に利用する方は月額料金を支払ったほうがお得です。
契約プランには以下のような種類があります。
・1日中利用できる
・平日(あるいは休日)のみ利用できる
・平日夜のみ利用できる
・1日◯時間まで利用できる
・サテライトオフィスとして複数人で契約できる
・個室を利用できる
自分の使い方に合わせて契約プランを選ぶことがおすすめです。
ドロップインでの利用
「ドロップイン」の場合、以下のように自分のタイミングに合わせて一時利用できます。
・自宅のWi-Fiが不安定なので会議のときだけ使いたい
・出先で緊急の作業が発生したためすぐWi-Fiを使いたい
・いつもカフェで仕事しているが集中できないのでコワーキングスペースを試したい
・個室のある安全な場所でオンラインミーティングをしたい
ただし「毎月そこそこの回数利用している」という場合、ドロップインの料金形態によっては割高になるため注意しましょう。
ドロップインの詳細やメリット・デメリットなどは、以下の記事でも解説しています。
関連記事:コワーキングスペースの用語『ドロップイン』とはどんな意味?
ワークスペースをお探しなら快活CLUBがおすすめ
コワーキングスペースは作業に集中できる環境が整っているため、毎日仕事をしっかり進めたい方にピッタリです。交流会に参加できたり登記時に住所を利用できたりなど、単なる「仕事場」を超えて利用者のビジネスを加速させてくれる点も魅力です。
快適な作業環境を求めている方は、快活CLUBのワークスペースもご活用ください。鍵付完全個室で安全に作業できる上、高速Wi-Fiも利用できます。飲み放題カフェやダーツなどもあるため、仕事のリフレッシュもしやすいでしょう。
気になった方は、まずは最寄りの店舗を探してみてください。
※店舗によってサービスが異なる場合があります。
まとめ
コワーキングスペースとは、共有空間で複数人と一緒に作業する施設のことです。Wi-Fiや電源、サブモニターなど仕事で必要な道具はひととおり利用できます。交流会などで新たなビジネスチャンスを生み出せる点も魅力です。
料金形態には「会員制」「ドロップイン」の2つがあります。毎日外で集中したい方は「会員制」、会議のときだけ使いたい方は「ドロップイン」というように、自分の仕事スタイルに合わせて使い分けることが大切です。